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2026年3月24日(火)、大阪・梅田の会場にて「第5回 こども性暴力防止法(日本版DBS)勉強会」を開催いたしました。

本法の施行(2026年12月25日予定)が目前に迫る中、教育・保育・支援の現場や、それらをサポートする士業・専門家の間では、実務レベルでの具体的な対応策の構築が急務となっています。当勉強会は、まさにそうした「現場でどう動くか」「事業者をどう支援するか」という実践的な課題を解決するために立ち上げた少人数限定・リアル開催のプロジェクトです。

今回も定員であるリアル参加10名の枠は満席となり、5回目となる本セッションも非常に熱量の高い充実した時間となりました。本記事では、当日の熱気あふれる勉強会の様子と、実施された模擬セミナーのポイント、そして参加された専門家同士のディスカッションの内容を詳しくレポートいたします。

1. 多様な専門家が集結!兵庫県からの初参加者も交えた白熱の空間

当勉強会は、密度の濃いディスカッションと実践的な模擬演習を行うため、あえて【リアル参加10名限定】という少人数制にこだわって開催しています。少人数だからこそ、一方的な講義ではなく、参加者全員が発言し、疑問をぶつけ合い、ノウハウを共有できる「生きた学びの場」が形成されています。

今回は、大阪府内の行政書士に加え、兵庫県からの初参加者もお迎えすることができました。 神戸市からお越しいただいた「行政書士」の先生、そして芦屋市からお越しいただいた「社会保険労務士」の先生です。

こども性暴力防止法における事業者対応は、国への認定申請や規程の整備(行政手続)と、就業規則の改定や配置転換、雇用契約の見直し(労務管理)が複雑に絡み合います。そのため、行政書士と社会保険労務士という、異なるアプローチから事業者を支援する専門家が同じテーブルを囲むことは、非常に大きなシナジーを生み出します。

多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まったことで、法解釈の議論にとどまらず、「このケースなら労務トラブルを防ぐためにどう就業規則に盛り込むか」「認定申請の際の添付書類として、どのように業務フローを可視化するか」といった、極めて実務的で多角的な視点からの意見交換が行われました。


2. 実践演習①:事業者から委託を受けた職員向け「性暴力防止研修」の模擬実施

今回のメインプログラムの一つ目は、参加者による「事業所に所属する職員向け研修の模擬」です。

こども性暴力防止法の下では、直接雇用する教員や保育士など児童等に接するスタッフに対して、安全確保措置(研修の受講等)を適切に講じる、また、適切な管理・監督を行うことが求められます。

模擬研修では、こうしたスタッフ特有の課題を念頭に置き、以下のポイントを強調したプレゼンテーションが展開されました。

 

「不適切な行為」の境界線の明確化

スタッフに対し、法で禁じられる「性暴力」だけでなく、その前段階となり得る「不適切な行為(私的な連絡先の交換、密室での1対1の対応、業務上必要のない過度な身体接触など)」の定義をどう伝えるか。模擬では、実際の現場で起こり得るグレーゾーンの事例(ケーススタディ)を用い、スタッフ自身に「自分ごと」として考えてもらうワークショップ形式の研修が実演されました。

 

報告ルールの徹底と心理的安全性の確保

委託スタッフは「少し違和感があるが、部外者の自分が口を出して良いのだろうか」と躊躇しがちです。模擬研修では、些細な違和感(児童の様子の変化や、他スタッフの不自然な行動)であっても、迅速に指定された責任者へ報告することの重要性と、報告したことによってスタッフ自身が不利益を被らない(通報者の保護)という組織の姿勢を明確に伝えるデモンストレーションが行われました。

参加者からは、「スタッフ向けには、難しい法律用語を並べるよりも、具体的な『してはいけない行動リスト』と『迷ったときの相談フロー』をシンプルに伝えるアプローチが非常に有効だ」といった評価が寄せられました。


3. 実践演習②:放課後等デイサービス・児童発達支援事業者向けセミナー模擬

メインプログラムの二つ目は、「放課後等デイサービス(放デイ)および児童発達支援(児発)事業者向けセミナーの模擬」です。

障害のあるこどもたちを支援する放デイや児発の現場は、本法の対象事業の中でも特にきめ細やかな対応が求められる領域です。なぜなら、利用する児童の特性上、自身の気持ちを言葉で表現することが難しかったり、被害を被害として認識できなかったりするケースが多く、加害が潜在化しやすい(見過ごされやすい)という強いリスクを抱えているためです。

模擬セミナーでは、障害児支援施設に特化した安全確保措置のポイントが、熱を込めて語られました。

特性に応じた「早期把握」の仕組みづくり

言葉でのSOS出しが難しい児童を守るため、職員による「日常観察」の質をどう上げるか。また、児童自身が「嫌だ」という意思表示をできるようにするための支援(例えば、紙の人形を使ったロールプレイでの意思表示の練習など)を、日常の療育プログラムの中にどう組み込んでいくかという、具体的な提案がなされました。

 

身体接触を伴う介助と環境整備(死角の排除)

放デイや児発では、パニック時の対応や排泄介助など、業務上どうしても身体接触や閉鎖空間(トイレ等)での1対1の対応が生じます。模擬セミナーでは、これらの行為を「不適切な行為」と誤認されないため、また真の加害を防ぐために、あらかじめ保護者と介助の範囲について合意形成しておくことや、防犯カメラの設置・複数名での対応といった物理的・システム的な環境整備(死角をなくす工夫)の重要性が解説されました。

この模擬セミナーは、法律の条文をただ解説するだけでなく、「障害児支援の現場が抱えるリアルな悩み」に寄り添い、法対応を「療育の質の向上(児童の権利擁護)」に直結させる素晴らしい内容でした。参加した士業の先生方にとっても、福祉事業のクライアントへ提案する際の非常に強力な武器となる知見の共有となりました。


4. 白熱の質疑応答:法解釈からコンサルティング営業まで

二つの模擬セミナーの後は、参加者全員によるフリーディスカッションおよび質疑応答の時間が設けられました。ここでは、単なる制度の疑問点にとどまらず、専門家として事業者を支援する際の「踏み込んだ悩み」が次々と共有されました。

 

① 法律の解釈と実務への落とし込み

  • 質問:「こどもと接する『支配性・継続性・閉鎖性』の3要件について、事務員や送迎ドライバーをどこまで対象業務従事者として含めるべきか、事業所から相談されたらどう答えるか?」

  • 議論: ガイドライン上は「職種の一部が対象になり得るもの」とされているため、事業所の物理的なレイアウト(事務室がこどもの活動スペースと隔離されているか)や、実際の業務フロー(送迎時に車内で1対1になる時間があるか)を個別にヒアリングし、事業者自身に判断基準を持たせるためのアセスメントシートを我々専門家が提供すべきだ、という結論に至りました。

  •  

② 労務トラブルを未然に防ぐ対応策

  • 質問:「もし犯罪事実確認の結果、特定性犯罪前科が発覚し、配置転換や内定取消を行う場合、不当解雇等の労務トラブルを防ぐにはどうすべきか?」

  • 議論: 労働法制を専門とする社会保険労務士の先生を中心に議論が白熱しました。重要なのは「事前の準備」であり、採用募集の段階で特記事項として明記すること、就業規則の懲戒事由や解雇・配置転換の根拠規定を今のうちから改定しておくことの絶対的な必要性が再確認されました。

  •  

③ 専門家としての営業(アプローチ)戦略

  • 質問:「この法律の対応支援を、どのようにして既存クライアントや新規の事業者に提案(営業)していくべきか?」

  • 議論: 「法律で決まったからやりましょう」という義務感・罰則の強調だけでは、現場は疲弊してしまいます。そうではなく、「認定マーク(こまもろうマーク)を取得することで、保護者から選ばれる安心・安全な施設づくりにつながる」「職員が安心して働ける環境(あらぬ疑いをかけられない環境)づくりにつながる」という、ポジティブな経営戦略・採用戦略としてのコンサルティングを展開すべきだという点で、参加者の見解が一致しました。


5. 参加者からの声:熱量と満足度の高いフィードバック

約2時間にわたる勉強会終了後、参加者の皆様からは非常にポジティブで前向きなフィードバックを多数頂戴いたしました。

  • 「非常に有意義な内容でした。特に、模擬セミナーを通じて、単なる知識が『現場に届けるための言葉』に変換されるプロセスを体感できたのが大きかったです。」(初参加・行政書士)

  • 「労務管理の観点だけでなく、施設運営や療育の現場のリアルな課題を知ることができ、社労士として提案できるサポートの幅が広がりました。」(初参加・社会保険労務士)

  • 「他の専門家の方々が、この法律をどう捉え、どうクライアントに伝えようとしているのかを知ることができ、大いに刺激を受けました。ぜひ次回も参加したいです!」(リピーター・行政書士)

参加者の皆様が、それぞれの専門領域の知見を惜しみなく提供し合い、「こどもたちを性暴力から守る」という共通の目的に向かって真剣に議論を交わす姿は、主催者としても非常に頼もしく、胸が熱くなるものでした。


6. 次回予告:施行に向けてさらに研鑽を深めます

こども性暴力防止法(日本版DBS)の施行は2026年12月25日です。しかし、事業者情報のシステムへの一括登録や、就業規則の改定、各種規程(児童対象性暴力等対処規程、情報管理規程など)の作成、そして何より「現場の職員への研修・周知」を考慮すると、残された準備期間は決して長くありません。

私たち専門家は、制度の複雑さに戸惑う事業者に対し、クリアで実践的なロードマップを示し、伴走していく使命があります。当勉強会では、今後も法律の正確な解釈、現場への落とし込み手法、そして効果的なコンサルティング営業の手法など、多岐にわたるテーマで継続的に研鑽を重ねてまいります。

【次回開催のご案内】 次回の第6回勉強会は、以下の日程で開催を予定しております。

  • 日時:2026年4月21日(火)

  • 場所:大阪・梅田エリア(詳細はお申込者にご案内)

  • 定員:リアル参加限定10名

本法への対応支援に力を入れていきたい士業・コンサルタントの方、自社の対応体制を確固たるものにしたい事業者の方のご参加を心よりお待ちしております。少人数制につき、枠が埋まり次第締め切りとなりますので、ご興味のある方はぜひお早めにお問い合わせください。

こどもたちの笑顔と尊厳を守り、現場で働くスタッフが安心してこどもと向き合える社会を創るため。引き続き、参加者の皆様と共に全力で学びを深めてまいります!

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