2026-01-08
専修学校(一般課程)各種学校(准看護学校、助産師学校、インターナショナルスクール等
2026年12月25日に施行される「こども性暴力防止法(日本版DBS)」により、こどもに接する事業者は、従事者の性犯罪歴を確認する仕組みへの対応を迫られています。
特に、学校教育法に基づく専修学校(一般課程)や各種学校(准看護学校、助産師学校、インターナショナルスクール等)は、本制度において「認定」を受けることで、この仕組みを利用できるようになります。
本記事では、これらの学校が認定を取得するための基準、具体的要件、手続きフロー、そして行政書士がいかにそのプロセスをサポートできるかについて詳しく解説します。
1. 制度の対象となる専修学校・各種学校の種類
学校教育法に規定される施設のうち、本制度での扱いはその課程によって「義務」と「認定」に分かれます。
• 学校設置者等(義務対象事業者)
◦ 専修学校(高等課程):学校教育法第124条に規定されるもののうち、高等課程に係るものは、法律に基づき安全確保措置を講じる義務があります。
• 民間教育保育等事業者(認定対象事業者)
◦ 専修学校(一般課程):簿記学校や製菓学校など。
◦ 各種学校:准看護師養成所(准看護学校)、助産師学校、調理師養成施設、製菓衛生師養成施設、外国人学校(インターナショナルスクール)などが該当します。
これらの認定対象事業者は、国から「学校設置者と同等の措置を講じる体制がある」と認められることで、初めて犯罪事実確認(犯歴照会)を行うことが可能になります。
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2. 認定取得のための「6つの認定基準」と具体的要件
認定を受けるためには、法第20条に基づき以下の基準をすべて満たす必要があります。
① 犯罪事実確認を適切に実施するための体制
犯罪事実確認を計画的に進めるための責任者を選任しなければなりません。責任者は、従事者への事前通知や、交付された確認書のチェック、急な欠員時の「いとま特例」の管理などを担います。
② 児童対象性暴力等のおそれを早期に把握するための措置
こどもたちの異変に気づくための日常的な観察や、発達段階に応じた定期的な面談・アンケートを実施する体制が必要です。
③ こどもが容易に相談できるための措置
施設内に相談員を選任するか、相談窓口を設置し、それをこどもや保護者に周知しなければなりません。併せて、外部の相談窓口についても周知する義務があります。
④ 児童対象性暴力等対処規程の作成(必須)
以下の3点を定めた規程を策定しなければなりません。
• 性暴力のおそれがある場合の防止措置(配置転換等)。
• 疑いが生じた際の事実確認のための調査手順。
• 被害を受けたこどもへの保護・支援策。
⑤ 従事者に対する研修の実施
対象業務に従事する者に対し、性暴力防止に関する基礎知識や、不適切な行為の範囲、情報管理の重要性などを学ぶ研修(座学と演習)を受講させることが求められます。
⑥ 情報管理措置の実施(情報管理規程の作成)
機微な情報である犯歴記録を適正に管理するための管理責任者の設置や、情報管理規程の策定が必要です。
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3. 認定申請の手続きフロー
認定申請は原則として、オンラインシステム「こども性暴力防止法関連システム(仮称)」を通じて行います。
1. 事前準備:
◦ GビズID(プライム)を取得します。
◦ 「児童対象性暴力等対処規程」および「情報管理規程」を起草します。
2. オンライン申請:
◦ システムにログインし、事業者情報、施設情報、対象業務の概要等を入力します。
◦ 定款、登記事項証明書、事業の実態を証する資料(認可証の写し等)をアップロードします。
3. 手数料の納付:
◦ 電子申請の場合、1事業あたり30,000円の手数料を納付します。
4. 審査・認定:
◦ こども家庭庁による審査が行われます。標準処理期間は1か月から2か月程度です。
◦ 認定されると、事業者名が公表され、「認定事業者マーク(こまもろうマーク)」を使用できるようになります。
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4. 行政書士がサポートできる具体的な内容
専修学校や各種学校が認定を取得する際、行政書士は専門知識を活かして多角的にサポートします。
• 申請書類の作成・代理投稿:複雑なオンライン申請の入力や、添付書類の整備を代行します。
• 必須規程の起草・整備:認定の要となる「児童対象性暴力等対処規程」や「情報管理規程」を、法廷基準に適合し、かつ貴校の実態に即した内容で作成します。
• 共同認定の調整:学校を設置する法人と、実際の運営を担う主体が異なる場合の「共同認定」において、役割分担の明文化を支援します。
• 継続的なコンプライアンス支援:認定後に義務付けられる「定期報告」の書類作成や、情報の廃棄・消去に関するアドバイスを行い、認定取り消しリスクを回避します。
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まとめ:適正な認定取得が「選ばれる学校」への第一歩
専修学校(一般課程)や各種学校にとって、日本版DBSの認定取得は、こどもたちの安全を最優先に考える姿勢を証明する強力なツールとなります。一方で、犯歴情報の不適切な取り扱いは、1年以下の拘禁刑や50万円以下の罰金といった厳しい罰則を招くリスクもあります。